Electro-Static Discharge: The Silent Killer
Voltus ESD解析:大規模デザインに対応し、高速な検証エンジンと使い勝手の良い解析環境を提供するESD検証環境
パチッ。うわっ。
。。。
秋も深まって参りましたね。
冬が近づくにつれ肌の乾燥と共に静電気が気になる季節です。
エレベータのボタンや車のドア等、最近は減ったような気もしますが、ついつい恐る恐る触ってみたり、さっと叩くように触ってみたりしてしまいます。そして、ほっとしたり、あぁ~、と思ったり。
その電圧は数kVと言われています。
ここをご覧の皆様のほとんどは、電子デバイスの設計や製造、またそれに関連する業務に従事されておられているかと思います。エレクトロニクス業界に従事する私達は肌の乾燥よりも静電気のデバイスに対する影響がやはり気になります。
このような高電圧の静電気が印加されても故障しないように、電子デバイス製品には非常に厳しい静電放電(Electro-Static Discharge : 略してESD)規格があり、ESD耐性試験が行われています。
人、機器、またはデバイスが帯電し、導電性パスに接触するとESDイベントが発生する可能性があります。これらはESD規格として以下の様に分類されています。
- HBM(Human Body Model:人体モデル)
- MM (Machine Model : マシンモデル)
- CDM(Charged Device Model:デバイス帯電モデル)
Cadenceは以下の様々な検証ソリューションを提供し、ESD検証のお手伝いをしています。
- Sigrity SPEEDEM technology:PCBレベルのElectrical ESD検証
- Voltus IC Power Integrity Solution:ChipレベルのElectrical ESD検証
- Voltus-Fi Custom Power Integrity Solution:Chip内TransistorレベルでのElectrical ESD検証
- Pegasus Physical verification Solution:PERCによるトポロジーチェック
今回はこの中でChipレベルのElectrical ESD検証をサポートするVoltusのESD解析機能についてご紹介いたします。
従来の製造施設内で良好な歩留まりを保証するには、最小のICレベルのESD耐性が必要です。(通常は1kVHBM,およびアドバンスドテクノロジーと製品においては250VCDM 5ACDM)
ESD保護クランプとダイオードは、ESD電流が主回路をバイパスするためにチップ上に配置されています。ESD電流放電経路は、保護回路を有効にするための最小抵抗要件を満たす必要があります。ESD電流密度は、金属の溶融または融合を引き起こす制限を超えてはなりません。
皆様の会社ではどのようにESDの検証をされておりますでしょうか?
またESDの検証でお困りのことは御座いませんでしょうか?
VoltusのESD解析機能では、「バンプからクランプ」、「バンプからバンプ」、「クランプからクランプ」など、さまざまなタイプの効果的な抵抗チェックや、ESDザップ・イベント中の電流密度分析を実行できます。
さらに、Charged Device Model(CDM)ベースのESD解析を実行して、違反を報告することができます。
ESD解析におけるVoltusの大きな特徴は以下の4点が挙げられます。
1. 解析時間でお困りではありませんか?
超並列で線形にスケーラブルなアーキテクチャは、非常に大きなデザインに対し、バンプとクランプペアの非常に多い組み合わせを高速に処理します。
2. ESDチェック項目の定義と管理は簡単ですか?
ESDルールベースのアプローチにより、すべてのESDルールを定義し、単一のルールファイルでチェックすることが可能になります。これにより解析の自動化および標準化ができるようになります。
3. 結果の判断が判りづらくありませんか?
ESD障害を引き起こす可能性のある上位の違反パスをすばやく検出し、さまざまな抵抗チェックと考えられるESD放電経路を分析します。
高い実効抵抗によって引き起こされた違反をフィルタリングしてソートします。
- 「バンプからクランプ」、「クランプからクランプ」のリバースソート
- 全ネットPass/1ネットPass等のPass/Failクライテリアの変更
4. GUIは使いやすいですか?
「クランプ/バンプから」と「クランプ/バンプへ」の間のフライラインの位置を視覚化します。
ESD電流密度解析結果のプロットと確認が行えます。また、GUIからサマリーレポート、詳細レポートをインタラクティブに確認することが出来ます。
Voltusは大規模デザインでの多バンプと多クランプ間のESD解析を高速に行うことができる、ユーザビリティの高いツールとなっています。
ESD解析でお困りの皆様、VoltusのESD解析機能にご興味を持たれた皆様、是非弊社までご相談下さい。
フィールドエンジニアリング&サービス本部
カスタムIC&シミュレーション&SPB
市川 真也
Latest Issue
- 次世代仮想プラットフォーム Helium Virtual and Hybrid Studio 最先端のテクノロジとケイデンス検証プラットフォームとの融合
- FMEDAベースの機能安全開発ソリューションCadence Midas Safety Platform
- Xcelium ML: ツールの中の黒帯検証エンジニア
- プリント基板設計ツールAllegro/OrCAD:SPB17.4-2019 QIR3 最新機能の一部をご紹介
- 基板レイアウト設計者によるスクリーニング・チェック Allegro In-Design Analysis
- RF/マイクロ波設計のための新しいCadenceの統合ソリューション-機能拡張と効率化
- ケイデンス・ソフトウェア・ダウンロードサイトが一新しました
- Cadence Topics
Archive
2024 Issues
2023 Issues
2022 Issues
2021 Issues
2020 Issues