Datasheet

Spectre X Simulator

Verify your largest designs with analog precision

Cadence® Spectre X Simulator は、大規模検証シミュレーションの課題を解決し、最大10倍の速度向上と5 倍の規模の改善、および、クラウド・コンピューティングにおけるスケーラビリティと大規模並列処理シミュレーションを実現します。Spectre X Simulator は、設計者が 30 年にわたり信頼してきた Spectre ファミリのすべてのシミュレータと同じインフラストラクチャ・テクノロジーに基づき、複雑なアナログ、RF、ミックスシグナルのブロックからカスタム IC のサブシステムまでの回路に、ゴールデン・シミュレーションの結果を計算します。

Spectre Simulation Platform

高精度なアナログ・シミュレーションの業界をリードするソリューションとして、Cadence Spectre Simulation Platform には複数のソルバーがあり、設計者は、回路、ブロック、システムレベルのシミュレーション・タスク間を、簡単かつシームレスに移行することが可能です。プラットフォームの基盤は、すべてのエンジンで共有されている統一されたテクノロジー（パーサー、デバイス・モデル、Verilog-A 機能記述モデル、入力データ・フォーマット、出力・データ・フォーマット）を持っているので、選択されたシミュレータに限らず、一貫した正確な実行方法を確実にします。個々のソルバーに加え、Spectreシミュレーション・テクノロジは、Xcelium Logic Simulation、Liberate Trio Characterization Suite、Legato Reliability Solution、Virtuoso ADE Product Suite、Voltus-Fi Custom Power Integrity Solution、Virtuoso RF Solutionといったケイデンスの他のテクノロジ・プラットフォームとうまく統合されて、業界で最も総合力の高いクロスドメイン・シミュレーション・ソリューションを提供しています。

Figure 1: Spectre Simulation Platform

Spectre X Simulator

Spectre X Simulator は、クラス最高のシングルコア・シミュレーションを実現し、スケーラブルなパフォーマンスとキャパシティを持ち、さらに、Spectre Simulation Platform のすべてのプロダクトと同じインフラストラクチャ・テクノロジーにより構築されているため、複雑なアナログ、RF、ミックスシグナル・ブロックからカスタム IC やサブシステムまでの回路のゴールデンのシミュレーション結果を同様に得ることができます。これらのデザインは、数百万個のトランジスタや受動素子と数十億個の寄生素子と受動素子で構成されることがあります。 

Spectre X Simulator は、大規模なアナログ中心のSoCデザイン（例えば、ハイスピード SerDes）や 5G RFIC デザイン、Advanced-Node IP ブロックなどの電気的特性検証を可能にします。Spectre X Simulator は、各タイム・ステップでの数百万の計算を必要とするデザインについてアナログ指向の精度を要求する設計に対する、最適なソリューションです。Spectre X Simulator は、クラウド・インフラストラクチャを利用することができ、複雑なフルチップ・デザインをタイムリーに検証するために必要な大規模分散シミュレーションの実行が可能です。

利点

使用の容易性

  • Virtuoso® Analog Design Environment との密接な統合を特徴とし、波形の解析、クロスプロービング、バックアノテーションの機能など、一般的な使用法に対応しています。 
  • すべての業界標準のデバイス・モデルの最新バージョンによるシリコン精度を持ったシミュレーション。 
  • ファンダリのプロセス・デザイン・キット（PDK）の幅広いサポート。 
  • 迅速な適用を支援する容易なプラグアンドプレイのためのSpectre Circuit Simulation Platform の他の全てのシミュレータの構文、ネットリスト、アブストラクト、機能記述、デバイス・モデルを読み込み。 
  • AMS Designer Flexユース・モデルによるSpectre AMS Designer のアナログ・ソルバーとしての利用。ユーザーは、希望のXcelium™のバージョンと Spectre リリースを組み合わせて使用することが可能です。

設計フローやソリューションの Cadence の拡張されたエコシステムとのアナログ・エンジンとしての使用

  • Spectre AMS Designer によるミックスシグナル・シミュレーション 
  • Virtuoso Photonics Platform 
  • Liberate Characterization Portfolio によるデジタルおよびミックスシグナル・ライブラリ・キャラクタライゼーション 
  • Voltus-Fi Custom Power Integrity Solution による配線のインテグリティおよび信頼性、EMIR解析
  • Legato Reliability Solution による高度な信頼性解析 
  • Virtuoso RF Solution によるシステムレベル設計 
  • Tempus Timing Signoff Solution によるタイミング解析 
  • Cadence Design for Manufacturing （DFM）ソリューションによるリソグラフィ解析

設計者の生産性の向上

  • Spectre Simulation Platform では、使用法を共通化することにより、習熟曲線を最小限に抑え、迅速に適用することが可能です。 
  • Spectre X Simulator は、カスタム IC、ミックスシグナル、アナログ・デザインに対する精度と性能トレードオフの追加の設定機能が備わっています。 
  • 大規模ポストレイアウト・アナログ・デザインや寄生デバイスが支配的なサブシステムのシミュレーションを高速化するために、Spectre X Siumlator では、シングルコアのシミュレーション・パフォーマンスが大幅に改善されています。

パフォーマンスのスケーラビリティ

  • Spectre X Simulator は、スケーラブルなパフォーマンスを持った分散シミュレーション機能を持っています。マルチコア・アーキテクチャのマシンのクラスターを使用することで、アナログ・デザインのより上位階層でインテグレーションされたデザインを高速にシミュレーションすることを可能にします（この機能は、Spectre CPU Accelerator optionで実行することができ、追加のライセンスを必要とします）。 
  • マルチコア・コンピュータ・プラットフォームのクラスターを利用することで、Spectre X Simulator のシミュレーションを強化することができます。

特長

シリコン精度のモデル

デバイス・モデルはSpectre Simulation Platformのすべてのシミュレータに共通のため、モデルの相関の問題が無く、新しいシミュレーション・テクノロジーを簡単に適用できます。同じモデル式を使用することで、既存の PDK のシリコン精度のモデルがSpectre X Simulator でも使用できます。 

ポストレイアウト・シミュレーション

Spectre X Simulator は、ポストレイアウト・シミュレーションを独自技術を使用して高速化します。Spectre X Simulator のポストレイアウト・シミュレーションは、高速化された DC 動作点計算の機能があり、RC シミュレーションや大規模マトリックスに対応した最適化された先進的な行列ソルバーを持ち、デバイスの寄生値の精度の最適化がされています。カスタムICシミュレーション、アナログ IC シミュレーション、EMIR 解析など、異なる用途に向けて設定を最適化する複数のモードが備わっています。 

デバイスの信頼性解析

Spectre X Simulator は、フルチップに対応した信頼性解析シミュレーションや解析ソリューションの機能を持ち、設計初期からテープアウトにわたり、デバイス特性の信頼性の影響を確認することができます。信頼性解析は、回路の動作条件と時間の関数としてデバイス特性の劣化をシミュレーションすることができ、製品の動作寿命に対する性能のマージンを確保することを可能にします。

Verilog-A のサポート

Spectre X Simulator は、デザイン空間を速く探索するための抽象化されたデザインをシミュレーションする機能を持ち、より良いアーキテクチャの判断を可能にし、トップレベルの動作検証を加速するミックス・レベルのシミュレーションをサポートします。Spectre X Simulator がサポートしている Verilog-Aは、Verilog-A 2.0 LRM に完全に準拠しています。Spectre X Simulator は、ハイパフォーマンスなシミュレーションを実行するために、Verilog-A を最適化された Cコードに自動的にコンパイルします。

高機能なアナログ／RC回路解析技術  

Spectre X Simulator におけるパフォーマンスとキャパシティの改善は、トランジェント解析に限定されません。Spectre X Simulator では、RFIC デザインで期待される精度を維持しながら、Harmonic Balanceシミュレーションも高速化されています。

仕様

サポートされているデバイス

  • BSIM CMG、BSIM IMG、UTSOIモデルの最新版を含むAdvanced Node モデル 
  • BSIM3、BSIM4、BSIM Bulk (BSIM6) 、PSP、HiSIM モデルの最新版を含むMOSFETモデル  
  • HiSIM HV、MOS9、MOS11、EKV モデルの最新版を含む高耐圧MOSモデル 
  • BTASOI、SSIMSOI、BSIMSOI、BSIMSOI PD、HiSIM SOI モデルの最新版を含むSilicon-on-insulator（SOI）モデル 
  • VBIC、HICUM、Mextram、HBT、Gummel-Poon モデルの最新版を含むバイポーラ・ジャンクション・トランジスタ（BJT） 
  • diode、Phillips level 500、CMC diode を含むダイオード・モデル 
  • JFET、Phillips level 100 JFET、Individual dual-gate JFET を含むJFETモデル 
  • PSpice IGBT、HiSIM IGBTを含むIGBTモデル
  • 線形抵抗、拡散抵抗、CMC の二端子抵抗と三端子抵抗、物理抵抗を含む抵抗モデル 
  • GaAs、TOM2、TOM3、Angelov モデルの最新版を含むGaAs MESFET モデル 
  • Angelov、ASM、MVSGモデルを含むGaN MESFET  
  • RPI Poly-Silicon、Amorphous Silicon Thin-Film モデルを含むシリコンTFTモデル  
  • Verilog-A コンパクト・デバイス・モデル  
  • ZおよびSドメインの信号源  
  • User-defined compiled model interface（CMI）によるユーザー定義のモデル  
  • ジョセフソン接合  
  • HCIやBTIの影響をシミュレーションする特別な信頼性モデル（AgeMOS）  
  • リレー、トランスフォーム、非線形磁気コア、巻線モデルなどを含む種々の電力モデル  
  • DC ブロック、DC フィードスルー、マイクロストリップ、ストリップライン素子（bend、cross、corner、curve、open line、tee）を含む種々のRFモデル

サポートされている言語およびネットリスト

Spectre Simulation Platform では、以下のフォーマットは共通に使うことができます：ネットリスト、機能記述モデル、寄生付きネットリスト、スティミュラス・ファイル。以下のフォーマットががサポートされています。

  • Spectre およびSPICEネットリスト・フォーマット 
  • Spectre、SPICE、PSpice モデル  
  • Verilog-A 2.0 LRMに準拠した機能記述モデルと構造ネットリスト  
  • DSPFおよびSPEF寄生フォーマット  
  • Touchstone、CITI、Spectre フォーマットの Sパラメータ  
  • SST2、PSF、PSF XL、FSDB波形フォーマット  
  • デジタル・ベクター（VEC）、Verilog-Value Change Dump （ VDC ）、Extended Verilog-Value Change Dump （EVDC）、デジタル・スティミュラス

サポート・プラットフォーム

  • x86 64-bit Red Hat Enterprise 6.5 （それ以降）、および、V7、SLES 11 と12
  • 商用のクラウド・ソリューション

ケイデンスのサービスとサポート

  • ケイデンスのアプリケーション・エンジニアは、電話、電子メール、またはインターネットでお客様の技術的な質問にお答えします。また、技術支援やカスタム・トレーニングを提供することもできます。
  • ケイデンス認定講師が70以上のコースを担当し、実体験を生かした授業を展開しています。
  • 25以上のInternet Learning Series （iLS）オンラインコースは、インターネットを通じてご自身のパソコンで柔軟にトレーニングができます。
  • Cadence Online Supportは、最新のソリューション、技術文書、ソフトウェアのダウンロードなどのナレッジベースに24時間365日オンラインでアクセスすることができます。
  • 詳しくは、サポートおよびトレーニングのページをご覧ください。