ケイデンス、拡張可能なテンシリカプロセッサー次世代プラットフォームにより、エッジにおけるインテリジェンスの普及を加速
03 Aug 2023
業界をリードするTensilica Xtensa LXプラットフォームの第8世代が、
システムレベルのパフォーマンスを大きく向上させ、最適な電力効率を実現
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、8月2日(米国時間)、業界をリードする同社のXtensa LXプロセッサーファミリーの第8世代であるCadence® Tensilica® Xtensa® LX8プロセッサープラットフォームを発表しました。Xtensa LX8プロセッサーは、Tensilica IPソリューションの最適な電力効率を実現しながら、ますます高まるシステムレベルのパフォーマンスへの要求やプロセッサーベースSoCデザインのAI要件に対処するための様々な新機能を提供します。これらの機能強化は、車載、コンシューマー、組み込み型コンピューティング市場のエッジにおけるPervasive Intelligence(インテリジェンスの普及)に対する継続的な需要に対応するために実現されました。新規のXtensa LX8プラットフォームは、DSP、マルチプロセッサー、インターコネクト、システムレベルIPに関する新製品など、プロセッサーおよびシステムレベルデザインに向けたイノベーションを実現するための基盤としての機能を果たします。
ますます高まるモバイルおよび車載アプリケーション向けインテリジェントエッジデバイスのパフォーマンス需要を満たすようにプロセッサーのパフォーマンスを拡張するためには、設計者がシステムレベルの要件を俯瞰的に見る必要があります。SoCデザインはさらに複雑になっており、単にクロック周波数を拡張したりプロセッサーを追加したりするだけでは十分ではなく、データ転送、メモリー帯域幅、レイテンシー、デザイン統合の容易さなど、あらゆる要因がすべて重要になります。例えば、回帰型畳み込みニューラルネットワークは、リアルタイム要件を満たすために、システムメモリーから迅速にアクセスする必要がある大規模データセットを含む場合が多々あります。昨今のプロセッサーおよびDSPサブシステムは、複数の並列処理アルゴリズムや、より広域幅のフィルターに対応する必要があり、メモリーアクセスのレイテンシー短縮や連続するゼロデータのDMA転送を制限する機能などが、システムパフォーマンス全体を大きく向上します。これらの要件そして電力効率のよいコンピューティングとAIに引き続き注力することによって、ワット当たりのシステムパフォーマンス全体を最適化するために設計された様々な機能をサポートするXtensa LX8プラットフォームの開発へとつながりました。
Xtensaプラットフォームの強化は、Tensilica HiFi Vision、ConnX and FloatingPoint DSP、AIコントローラーなど広範なTensilica製品ファミリーの各製品を改善します。今回強化された機能は以下の通りです:
- L2キャッシュ: Xtensa LX7プロセッサーと比較してキャッシュベースサブシステムのパフォーマンスを50%以上向上、L1キャッシュへの負荷も低減
- 分岐予測の改善: ますます重要になっている制御コードのパフォーマンスにおいて大幅な高速化を実現
- Arm® AMBA®インターフェイスの強化: 現在のハイパフォーマンスデバイスへの統合を容易化するオリジナルのAMBA 4 AXIインターコネクトおよび低レイテンシーAPBインターフェイスを強化し、プライマリーシステムバスへの負荷も低減しつつシステムパフォーマンスをさらに向上
- iDMAの強化: 複雑なDSPアルゴリズムにより構築された3D DMA転送を強化するとともに、圧縮/解凍機能を追加し、アクセス可能な物理アドレスを40ビットに拡張
- 割り込み対応の拡張: 最も厳しいシステムレベル要件に対応するために最大128割り込みに対応
SK hynix memory solutions America Inc.社コメント
Jaeyoung (Jay) Jang氏(vice president of SoC)
「ケイデンスがTensilica Xtensa LX製品ラインの新世代製品を発表したことをうれしく思います。これまでXtensa LXプロセッサーを当社のSoC設計に採用してきた経験から、アプリケーションに特化した処理において、Xtensa LXプロセッサーが比類のない効率と性能を発揮することを確信しています。ケイデンスはシステムレベルのパフォーマンスに注力しており、Xtensa LXプロセッサーで設計されたSoCが、パフォーマンスと消費電力に対するエンドユーザーの厳しい要求を満たすことを保証しています。」
Synaptics社コメント
Saleel Awsare氏 (senior vice president and general manager, PC & Peripherals Division)
「Synapticsとケイデンスは、AIエッジデバイスに向けた数多くのSoCの開発において協業してきました。当社は、ケイデンスのTensilica DSPおよびXtensaコントローラーの非常に優れた機能を活用することによって、最先端の生体認証、スマートホームセキュリティ、情報家電などセンサー、音声、ビジョンアプリケーションに対応するエネルギー効率のよい製品を開発することができました。我々は、さらにロバストなシステムレベルのパフォーマンスを提供し、次世代エッジAI SoCの需要に応えるケイデンスの新しいXtensa LX8プラットフォームの進化を歓迎しています。」
ケイデンス・コメント
David Glasco(vice president, research and development for Tensilica IP)
「現在の最先端SoCデザインにおいては、さらに高いプロセッサーサブシステムのパフォーマンスが求められます。現在、Xtensa LXプラットフォームをベースとしたプロセッサーは、最も要求の厳しいオーディオ/ボイス、車載ADAS、組み込みコンピューティングなど広範なアプリケーションで使用されており、ケイデンスは、システムレベルのパフォーマンス改善に対するお客様からのさらに高まる要求を正確に理解しています。業界をリードする拡張可能なプロセッサープラットフォームがサポートする次世代に向けた主要な機能により、さらに高度なドメイン特化型プロセッサーの開発を可能にします。」
テンシリカXtensa LX8プロセッサーは、ケイデンスのIntelligent System Design™戦略を支え、卓越した完成度の高いSoC設計を可能にします。
製品提供時期
テンシリカXtensa LX8プロセッサーは、現在、先行顧客向けに出荷されており、一般向けには2023年第3四半期 後半にリリースする予定です。先行アクセスにご興味のあるお客様は、担当営業までお問い合わせいただくか、www.cadence.com/go/xtensalx8prをご参照ください。
ケイデンスについて
ケイデンスは30年以上にわたり蓄積してきた演算処理ソフトウェア(computational software)の専門知識を基盤とする電子システム設計業界のリーダーです。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、コンシューマー、産業向け、ヘルスケアなど成長市場において開発される様々なアプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。フォーチュン誌は9年連続で、ケイデンス社を「働きがいのある会社ベスト100」に選出しています。ケイデンスに関する詳細についてはcadence.comをご参照ください。
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