ケイデンス、車載および産業用機器設計に向けた認証取得を加速する包括的な機能安全ソリューションを発表
Yokohama, 20 Oct 2021
要旨:
- FMEDAベースの機能安全設計と検証に向けたアナログ/デジタル設計フルフローをサポートする新しい統合環境Midas Safety Platformを含むCadence Safety Solution
- 自動車、産業、航空宇宙分野の開発における安全解析、故障挿入シミュレーション管理/実行機能を提供する機能安全ソリューションフロー
- ケイデンスの強力な検証エンジンを搭載した新ソリューションにより、ISO 26262およびIEC 61508向けの完全な検証
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下、ケイデンス )は、10月19日(米国現地時間)、ISO 26262およびIEC 61508準拠の機能安全性を最重視する製品の開発に向けて、アナログ/デジタル機能安全設計フローとそのための各種エンジンを搭載した新しいソリューションCadence® Safety Solutionを発表しました。Cadence Midas™ Safety Platformと呼ばれる新しいFMEDA (Failure Modes Effects and Diagnostic Analysis ) 機能を持つソリューションによって、自動車、産業、航空宇宙などの安全性が必須要件である先進アプリケーションに向けた半導体開発においてFMEDAドリブンのアナログ/デジタル検証を実行できます
自動車、産業、航空宇宙などの業界を、さらにつながり、自律する未来に向けて推進する最先端エレクトロニクスの開発において、安全基準に適合する半導体は不可欠です。Cadence Safety Solutionは、ISO 26262などの機能安全標準に準拠し、自動化、信頼性、生産性を高めるように開発されており、Midas Safety Platform、vManager™ Safety Manager、Xcelium™ Safety Simulatorなどの新しい検証ツールを提供します。さらに、Cadence Safety Solutionは、Cadence Jasper™ Functional Safety Verification (FSV) App、Legato™ Reliability Solution、Spectre® Simulation Platform、Genus™ Synthesis Solution、Innovus™ Implementation System、Modus DFT Software Solution、Conformal® Equivalence Checkerをはじめとするアナログおよびデジタル検証、設計をサポートする既存ツールで構成されています。
ケイデンス・コメントPaul Cunningham (Corporate vice president and general manager of the System & Verification Group)「車載アプリケーション向け半導体の開発においては、ISO 26262標準の準拠に必要となる厳格な安全認証など、サプライチェーン全体で対処しなければならない課題が多数存在します。新しいCadence Safety Solutionでは、vManager Safety Manager、Xcelium Safety Simulator、Jasper FSV App、Genus Synthesis Solution、Spectre Simulation Platformなどケイデンスの設計フローや検証フローと密接に統合されたMidas Safety Platformを使用できるため、生産性を高めるとともに、安全基準の順守を迅速に行うことが可能です。」
Cadence Safety Solutionには、高度な安全性設計、検証に向けて強化された設計・検証フローおよびエンジンが含まれます。
- FMEDA Management:新しいMidas Safety Platformにより機能安全アーキテクチャーを設計初期段階において探索し、チップ設計データを活用して安全分析を高精度かつ効率よく実行することが可能。Midas Safety Platformはケイデンスの各製品において利用できる統合ソリューションであり、モジュール式アーキテクチャーにより、スタンドアローンとしての使用、及びケイデンスフローに組み込んでの使用が可能
- Fault Simulation:新しいXcelium Safety Simulatorは業界をリードするケイデンスのシリアルおよびコンカレント故障シミュレーション技術を利用し、最高性能のセーフティ分析を実行することが可能。シミュレータのマシンラーニングアルゴリズムをフォーマルベースフローと組み合わせ、検証スループット全体を飛躍的に加速
- Fault Campaign Management:新しいvManager Safety Managerにより、ケイデンスの複数の検証エンジンを使用した機能安全検証管理を行うために、機能検証と機能安全検証の管理環境を単一の統合システムで提供。vManager Safety Managerを利用してJasper FSV AppおよびXcelium Safety Simulatorで故障検出率を調整することにより、セーフティ検証キャンペーンにかかる時間を1/3に短縮可能。また、vManager Verification Managementプラットフォームでは、vManager Safety Managerでアナログおよびデジタル領域双方の安全検証を処理することで機能安全で必要とされる各種ドキュメントの作成のためのレポート機能を自動化、また、要求トレーサビリティのための接続性をお客様に提供
- Formal Verification:Jasper FSV Appにより、業界をリードするフォーマル技術を故障解析に適用し、シミュレーションのための故障リストを最大で30%削減、セーフティ検証のパフォーマンスを向上
- Automated Analog Functional Safety: Cadence Safety SolutionはSpectre Simulation PlatformおよびLegato Reliability Solutionを統合し、様々な故障モードでアナログ・ミックスシグナル故障シミュレーションの自動起動が可能。また、機能安全診断レポートを生成し、Midas Safety Platformにバックアノテーションすることにより機能安全検証の収束を加速
- Automated Safety Mechanism Insertion, Optimization and Verification: Safety Solutionは Genus Synthesis Solution、Innovus Implementation System、Conformal Equivalence Checkerを統合し、三重化冗長回路、デュアルコアロックステップなどのセーフティメカニズムの挿入の支援。実装フローにおいては、Power, Performance, Area(PPA)を最適化しつつ、安全に関する要件を達成することが可能
ケイデンス・コメント
Alessandra Nardi (Senior engineering group director)
「機能安全に関する自動化が進歩し、Accellera Systems InitiativeやIEEEのようなグループによる標準化の役割が重要になっています。Accellera Functional Safety Working Groupは、相互運用性およびトレーサビリティに大きく貢献する機能安全データのツール間共有のための標準言語を定義しています。ケイデンスは、Accellera Functional Safety Working Groupに貢献し、これら標準の開発を続けるIEEE P2851の取り組みを支援しています。」
Cadence Safety Solutionは、ケイデンスのIntelligent System Design™ 戦略を支えるものであり、クラス最高のツールおよびフローにより卓越したSoC設計を可能にします。Cadence Safety Solutionに関する詳細については www.cadence.com/go/SafetySolutionをご参照ください。
パートナー、お客様のコメント
Arm社コメント
Suraj Gajendra氏(senior director of technology strategy, Automotive and IoT Line of Business)
「機能安全は、最新の自動車用コンピューティングシステムの設計においてますます重要になってきており、産業および航空宇宙市場における高い信頼性を必要とするアプリケーションにとっても不可欠なものです。安全を重視する様々なアプリケーションの設計・検証の効率化を支援する新しいCadence Safety Solutionは、信頼性の高い統合されたソリューションを最終顧客に提供するというArm Functional Safety Partnership Programの開発理念を体現化してくれるものです。」
Hailo社コメント
Ori Katz氏(VLSI director and safety manager)
「当社の先進的なAIプロセッサの開発において、ASIL-Bのプロセスおよび機能安全アーキテクチャーは、自動車アプリケーションに取り組む際の大変重要な要件でした。ケイデンスの機能安全ソリューションは、先行設計に基づく機能安全メトリクスの早期な予測を可能にし、セーフティメカニズムの適切な計画を可能にすることによって、これらの目標の達成に貢献してくれました。」
Melexis社コメント
Yurii Toporov氏(design engineer)
「当社の車載用SoCの開発における機能安全フローは、最適化された分布、サンプリングサイズ、モニタリング、安全基準などのルールをカスタマイズしたアナログ故障シミュレーションを実行することによってISO 26262に準拠しています。当社では、Cadence Legato Reliability Solutionを使用して、アナログ回路への故障挿入を行い、シミュレーションを実行して、その結果から機能安全メトリクスへ反映させています。このソリューションはVirtuosoプラットフォームに統合されているので、テストベンチやシミュレーション環境のセットアップを再利用することができます。高精度かつ柔軟性を提供してくれるソリューションのおかげで、ISO 26262の安全要件を大変効率的に満たすことが可能になりました。」
STMicroelectronics社コメント
Franck Roche氏(architecture, technical support, application and tools director, Microcontroller Division)
「機能安全検証におけるランダム故障シミュレーションは、産業用アプリケーションにおいて大変重要な課題です。セーフティメカニズムの多様な性質をモデル化することは大変複雑な処理であり、信頼性が高く柔軟性のあるシミュレーションツールが必要です。既存のCadence Verification Suiteを拡張して開発された新しいCadence Safety Solutionは、フローの自動化、ターンアラウンドタイムの最適化、結果の品質向上によって、迅速なIEC 61508認証の実現に貢献してくれます。」
ケイデンスについて
ケイデンスは30年以上にわたり蓄積した演算ソフトウェア(computational software)の専門知識を基盤とする電子設計業界のリーダーです。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、コンシューマー、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、産業、ヘルスケアなど、最もダイナミックな市場アプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。フォーチュン誌は7年連続で、ケイデンス社を「働きがいのある会社ベスト100」に選出しています。ケイデンスに関する詳細についてはcadence.comをご参照ください。
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